異常気象の影響は小麦にとどまらない

砂糖、綿花、原料炭など幅広い品目に影響

異常気象による影響は、小麦にとどまらない。パキスタンの洪水や中国南部の乾燥気候から綿花生産が減少し、綿花価格が史上最高値を更新。砂糖価格も、タイ北部の干ばつによる砂糖輸出量の減少、ロシアの干ばつによる輸入増加観測や豪州サイクロン「ヤシ」到来によるサトウキビの茎折れなどから、30年ぶ与局値近辺で推移している。

 

農産品以外でも、豪州の洪水による炭鉱生産の減少等から原料炭価格が上昇。ブラジルの洪水による石炭出荷量の減少観測による南アフリカの電力生産への懸念からプラチナも高値で推移している。インドネシアの豪雨から同国の輸出遅延などが発生したことで、スズも史上最高値を更新するなど、異常気象による価格上昇は幅広い品目で観察される。

 

大量の国家備蓄を有する中国を除く世界の穀物在庫率は11.4%と、FAOの安全在庫本準とされる18%を下回る状況にある。WMOによると、ラニーニャ現象は2008年第1四半期以降には終息に向かうと予測しているが、世界の穀物在庫が予測外の異常気象に耐えうる余地は小さい。

 

食料インフレを抑制する抜本的な解決策は供給増加にある。2月18〜19日、フランスで開催されたG20では、具体的な増産策は提示されなかったが、09年のラクイラーサミット(イタリア)では、世界銀行を通じてアフリカ諸国へ3年間で220億ドルを資金投入する共同声明が採択されている。食料増産に向けた現実的な一歩を踏み出せるかどうかが今後問われることになる。

8-9日に欧州連合(EU)首脳会議を控え、結果を見極めたいとのムードが強まりそうだ。財政規律に関する条約改正や基金拡充の合意への期待感もあるが、一方で昨日の為替相場(FX)や株式の欧州市場ではドイツがユーロ圏救済基金の融資能力拡充案に反対したと伝わったこが嫌気された。日中に関連するニュースフローも出やすいと考えられ、報道に振らされやすい状況である。